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”もっと!”台風がきた!/俺と仕事と育児

”もっと!”台風がきた!/俺と仕事と育児

桜吹雪にのって行け

2004春
僕の中の桜が咲き始めた記念に。

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<<桜吹雪にのって行け>>

去年の桜が満開の中、古い友人が亡くなりました。

小学校からの幼馴染でした。

スポーツ万能でいつも笑ってる男でした。

大きな夢をいつも語っていました。

やればできるんだといつもがんばってる男でした。

「俺は頭悪いから」と人の三倍努力する男でした。

自分の良さをわかっていない奴でした。

お前には負けない!といつも張りあってました。

コンプレックスのかたまりのような奴でした。

無鉄砲で目標に向って一直線に走ってゆく男でした。

   □

自分の手を差し出すことに躊躇しない男気がありました。

正義感が強く、優しい男でした。

思ったら一途な男でした。

人を集めるのが好きな男でした。

寂しがり屋な男でした。

人の長所だけを見て付き合える素直な男でした。

へたくそなバイク乗りでした。

アメリカを縦断した男でした。

英語は書けないのに喋れる男でした。

誰にでも笑顔を向けられる気持ちのよい男でした。

   □

一人で戦う男でした。

ときどきボンヤリ空を見ている男でした。

酒が弱いのに呑みたがる男でした。

キャビン・マイルドをいつも吸っていました。

女に惚れやすい男でした。

「だいたいお前ってさぁ~」とよく説教たれる男でした。

山が好きで、よく一緒に登りました。




妻と子供を愛してました。



人前でバカができる男でした。

冗談が寒い奴でした。

行動あるのみで本を読まない奴でした。

闇雲に動いて空回りしてる奴でした。

なんでかなあ~俺の話を聞かない奴でした。(ムカッ)

俺をライバルといつも言っていました。

本気で喧嘩できる唯一の男でした。

空手の練習で、寸止めが出来ない男でした。(いってェんだよ(T_T))

人を殴るのが嫌いな男でした。



夢を語り突き進んでゆくのが趣味でした。

いつもオヤジの背中を見ている奴でした。

オヤジには到底追いつかないとこぼす奴でした。

自分の背中に自信のない男でした。

そんな自分が嫌いで、いつも自分と戦ってる男でした。


笑顔が温かい男でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



不慮の事故でしたが、どうしても許せないことがひとつだけありました。
僕は和解しないまま逝ってしまったことに腹を立て、
「こいつのためだけには絶対泣かない!」と決め、この一年間
泣いたことはありませんでした。

絶対に許さない。絶対に。

でも、昨日、あいつの新品の墓を見て言いたいことがありました。

足が痛くて、ホームで何度もうつむきました。脂っぽい汗が出てきました。
途中何度も座り込みました。でも行かなければ。

行って伝えたいことがある。

「もういいよ。許す。楽になりな」と伝えなければならない。


仲間が迎えにきてくれた。笑いながら毒舌つきながら肩を貸してくれた。

墓石に向って言った。
「もういい。許すから俺の足を治してくれ…。」

ちがった(^^ゞ

「もういいから、許すからゆっくり寝てろ。お前の夢は俺がかなえる。」

この一言が言いたかった。これでいい。
お前のいいところを俺の力にしてまた進もう。遠くから見守っていてくれよな。
心配しなくても俺は負けない。「お前には行動力がない」といつも言っていた。
俺には粘り強さがある。あきらめないしつこさがある。打たれ強いんだよ。俺は。

お前の家族や仲間たちに、もちろん俺には最高の(^^ゞ
”いい風が吹きますように。”

風が吹いて花びらが舞った。この花びらに乗って行きなさい。

(享年35歳 桜の季節に死んだ友に捧ぐ)


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